鴻池新田会所本屋

JR住道から一駅、鴻池新田に「鴻池新田会所」が残されている。重要文化財学研都市線の電車の高架から住道方面に向かうとき右手に見える。あっという間に通り過ぎるけれども、実際に訪ねてみると、たいへん立派な会所であることがわかる。その名の通り、大坂の豪商鴻池家がこの地の新田開発を請け負い、完成させ、その新田経営の中心となった施設である。家宅の大きさは大藩の家老クラスだろう。新田経営の支配人がいたところだから、災害対応などで多人数が集まることもあり、台所や土間はそれに見合ったスペースが確保してあり、一般民家とはまったく違う。ここに新田開発に関する展示もあり、鴻池新田という地の歴史も分かるようになっている。鴻池グループは江戸時代の両替商、新田開発、近代になってからの銀行、土木など、大阪だけではなく日本にとっての重要な経済学的・経営学的位置をもっている。行政市域は東大阪市であり、その北端。この「鴻池新田会所」を見ると、ほぼ同じ規模だったと言われる平野屋新田会所を残せなかたのがたいへん残念なことに思えてくる。ここを見てから平野屋新田会所跡を訪ねたほうが良いだろう。

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鴻池新田会所本屋