棲息地の見え方=景観のあり方を追ってJR玉手駅から孝安天皇陵から、神武天皇社を経て掖上駅までみてきた。大和盆地の一隅、「まほろば」の地をわずかながらでも通りすぎたことになるが、「まほろば」(真秀ろば。まほらば。真秀らば)の地は、樋口忠雄の分析によると水分神社型景観としても見ることができる。
大和の水分神社は柳田國男は八社あるというが、四社は確認できるものの、あとの四社はわからないという。現存四社、葛木水分神社、宇太水分神社、吉野水分神社、都祁水分神社であるが、これらは大和盆地というより、盆地の奥の方、盆地から離れたさらに奥にある。(近いのは葛木水分神社か)このうち都祁水分神社は大和盆地の東、大和高原と言われるところに位置する。水もじつは奈良のほうには流れていない。水は北に向かってながれ、木津川に入る。
鳥居のところから撮った写真。
木の葉に隠れて全部は読めないものの水分神社は四社とある。またここは友田という土地であるが、ここの水分神社は南の小山戸から移ってきたと記されている。
南の方角は、水の流れでは上流。遠方に山が見えるが、そのあたりに水分神社が元あった。いまも都祁山口神社としてある。
都祁水分神社への一本道の眺め、社頭から見た眺め、田畑と民家の眺め、これらは全国いたるところに在りそうな眺めである。初めてきたのに既に見たような眺め、これが景観というものが成立する根拠となるのだろう。