いよいよ大和の水分神社、四箇所の最後、吉野水分神社へ行く。由緒書きでは「最後」ではなく、「第一」とあるが、これは訪れた順序で「最後の」神社という意味です。ここへは既に2回訪れている。いずれも桜の時期で、花見が目的だった。中千本を通りすぎて奥千本に行こうか、という場所に吉野水分神社はあった。しだれ桜がたいへん美しかった。
今回は、晩秋だから車で行けるのではないかと、下の駐車場に止めずに上の観光ルートを車で上ってゆく。人出が少ないかと思ったら、紅葉の残りをたのしもうという人がかなりいて、いつもは歩く狭い道路を通ってゆく。前のほうにのたりのたりとどちらにゆくのかわからないセダンがいて、うしろに数台数珠つなぎになる。
下の鉄道の駅から歩いてきたほうが良かったかなとも思う。歩く場合は1時間半かかる。
水分神社の手前の道は狭いのですれ違いが困難と判断し、後側へ回る道をとり、適当なスペースに停車し、歩いていった。
人はほとんどいない。「大峯奥駈道」という道標がたっていて、この道筋ではたまに登山装備の人をみかけた。山登りの目的で吉野の奥の方に来る人がいるのだろう。大峯の奥までは、行ったことがないが、相当の距離はあるはず。
ここまで歩いただけで、かなり疲れた。鳥居が見えてほっとした。
水分神社の鳥居を正面から見る。鳥居の朱が剥げてきている。昔に来たときはもっと鮮やかだったような記憶がある。桜の時期で、参拝客もたくさんいて、何の予期もなくこの神社に行き着き、「みくまり」などと読みづらい名称の神社があるな、桜がきれいだな、で終わった。桜の記憶と結びついて、はなやかな印象だけが残ったのだろうか。