県道85号(もしくは県道20号)から藤原惺窩の生誕地へと入る道の目印になるのがこの杉の木の大木である。手前に川があり、橋がかかっている。この橋が冷泉橋と名づけられている。
この橋を渡るときに「冷泉橋」と書かれてあるのを見つけ、「おや!」と車をとめて写真をとっておいた。「冷泉」といえば、御所の北にある冷泉家を思い浮かべる。何故ここに、この冷泉という名称が? というのは前回の「案内板」で紹介しているように、藤原惺窩は下冷泉家の流れだから。冷泉家の荘園があったところだから、そしてこの土地に冷泉家の根拠地があったところだから「冷泉」という名称が橋に付されているのは実にまっとうなことである。
車をとめたついでに杉の大木が気になった。
杉の木にはしめ縄がまかれ、神木あつかいになっている。左手に祠があり、右手のケヤキのふもとにも祠があり、お堂らしき建物もある。何がお祀りしてあるのかわからない。ちょうど歩いてきた人に尋ねたが「わからない、ここの者ではないから」。近在の人らしいが何をお祀りしてあるのかは知らないという。ただ、この杉の木には雷が落ちたという。杉の木の上のほうに皮が剥がれたあとがあるが、そのせいかもしれない。これだけ大きければ避雷針の役目を背負い込むことにもなる。そのおかげで周辺は助かる。神木となるのも当たり前か。
川は美嚢川(みのがわ)。以前は流れがもっと湾曲しているところがあって、水があふれ、水によくつかったと会った人は話してくれた。
川を見るとところどころ改修されて、流れがまっすぐになっている。
藤原惺窩の生誕地というのは、この美嚢川上流の写真の右手の奥の方向になる。(写っていない)