反橋(太鼓橋)渡り、鳥居と朱塗りの門を抜け、住吉大社本殿へ。住吉大社の本殿(本宮)はなんと四つある。門の先に見えているのは第三本宮。
第三本宮と第四本宮のあいだから、第二本宮とその先の奥に第一本宮が見える。住吉大社らしい景観といえば、ここのような気がする。
住吉大社はこのように四つも本殿(本宮)があるから、普通の神社のようにひとつの本殿にお詣りしておしまいということにはならない。
第一本宮から第三本宮まで海にむけて一列に並んでいる。第四は第三の隣にたっている。これは第三と門との間に建てる余地がもうないからという理由もあるだろうが。また第四だけは別の系統の祭神が祀られているからといえるかもしれない。
四つもあるとどなたが祀られているのだろうかと気になる。一般庶民からすると、普通の神社と違い、一回の賽銭ではたりないので、最低四回の賽銭が必要になる。まして大きな住吉大社には摂社がたくさんあって、四回分の賽銭ではとうてい足りない。みみっちい話になった。反省して、いくついくつ何度もお詣りして、その分御利益をさずかることが得られやすいと受けとるべきだ。
問題の四つの本宮に祀られている神さまとは。第一本宮には底筒男命、第二本宮には中筒男命、第三本宮には表筒男命、第四本宮には神功皇后が祀られている。
神宮皇后が新羅遠征からの帰途のさいに、船が進まなくなったので、底・中・表筒男命を祀ったら先に進んだということから、この三つの神が神宮皇后とともに祀られている。航海の神であり、津(港)があった住吉(住之江、すみのえ)にはふさわしい祭神である。
和歌にも住吉大社とその地はたびたびとりあげられたから和歌の神様ともみなされるようになった、ということだろう。