種貸社(住吉大社)

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種貸社鳥居

 住吉神宮寺跡石碑から少し歩いて広場にでると向こうのほうに何やら神社らしきものが見える。新しく整備したようで何だろうかと近づくと「種貸社」だった。

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「種貸社」石柱

 神社の名前を彫った石柱があって、下の土台に「一粒万倍」とあり、「塩爺」の名前が彫ってある。塩爺の名前はあちらこちらの神社などで見かけた。ここもそうか。

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神社のなかの置物

 神社のなかに入ってみると全てが新しくつくられている。真ん中に置物があって鯛の上に銭が載っていてその頂上に双葉がでている。500円硬貨もご丁寧に彫り込んである。商売の元手になるお金、農業のもとになる種、それから子種も一緒にして、種ということでまとめているらしい。たとえばお米の種なら借りて増やして返す。これは近世の大阪では地主―小作関係において行われていたこと。商売でも借りたカネは返す。利子をつけて返す。借りれば増やし、増えるというのが常のあり方だった。子種は貸したかどうかは知らないけれど、これも当たれば増える。万倍どころか億倍になる。要するに増殖の神様らしい。ここで元手の種になるお金を祈祷してもらって、住吉大社の摂社を廻るコースも設定されている。こういう大阪の土地にみあった神社らしい。