種貸社には一寸法師にまつわる像やお椀などが設置してある。もとは住吉大社にまつわるお話が御伽草子の「一寸法師」だから、ここに置いてあるのだろう。この像は小さいがよくまとまっている。手水の役割もある。
神社の右手にあって、目につくのは、一寸法師になるための大きなお椀。こどもをここに乗せて、大人もここに乗って、一寸法師になるという算段である。けっこう人気があるようで、見ているとここに参拝者は群がっている。
この説明板にあるとおり、一寸法師は子どもがなかった夫婦が住吉大社にお祈りして子どもを授かったと『御伽草子』にはある。これに子どもの生誕伝説として神功皇后、島津公の話も絡む。ここに来て、一寸法師のお話は住吉大社にゆかりがあるのだとわかるだけも意義があろうというもの。
『御伽草子』にまつわる研究文献も多い。研究のなかにはこれはどうかな、というのもあるが、ずいぶん目をひらかせられるものも多い。