西行、似雲の墳墓のあるところから上のほうが桜が植えられている「桜山」となるのだが、訪れた時は緑がきれいな時期だった。
『西行』の高橋英夫がここを訪れたときは、桜の満開がすこし過ぎたときであったが、丘の上には誰もいなかったと書いている。バスで来るには不便なところで1日に何本もないところという。桜の時期も人が押しかけるような桜の名所とは違う様子なのかもしれない。(そもそも桜の時期に来たことがないのでわかりませんが。)
この案内があるのは、山に向かって左手、右手からも登り口があり、どちらから行ってもこのあたりに戻ってくる。
しばらく登ると似雲法師の草庵址に着く。「須磨明石 窓より 見えて」と歌にある。木の間のあいだから須磨明石方面を見ると、
うっすら見える山の影は六甲連山だろう。手前左手にPLの塔が見える。塔のあたりが富田林。バスはこの富田林の駅から出ている。海や須磨明石は霞のせいもあって良く見えないのだが、眺めがよいところに草庵があるということはわかる。慈雲尊者の草庵があった双龍庵の場所からも海がよく見えた(はず)。今は樹木が茂っていてよく見えない。大阪平野の山側では、少し高台に登ると眺望がきくということが、ここでもよく解る。
こんなかたちで桜の木が植えられている。なかには古い桜の木もあるが、これはあとで植えられた比較的若い桜であろう。
桜山から降りてきても、参詣の人はなく、境内は
静かなたたずまいであった。弘川寺には西行に関する資料展示館もあるが、今回は見ずにそのまま帰った。ここもアジサイがきれいに咲いていた。