2014-01-01から1ヶ月間の記事一覧
「神ヤハウェは大地の塵をもって人を形造り、その鼻にいのちの息を吹き入れた。そこで人は生きるものとなった」(『創世記』2−7、旧約聖書Ⅰ、岩波書店)。「あなたは大地から取られたのである。あなたは塵だから塵にる」(同書、3−19)。大地は土、塵も…
ソクラテスには有名な言葉がいくつも残されているが、魂への気遣いもその一つである。ソクラテスは70歳を過ぎた高齢にして死刑判決となり、毒杯をあおいで死んだ。訴状にある理由は二つ。だがそれ以前にソクラテスはアテネの市民にとって不可解な人物だっ…
明治時代の後期には、酒税が国の税収のトップであったという。いまでも大きな税収のみなもととなっている。酒の税金は国庫に役だっているので、税務官僚の方としては、なんとしても酒税を減らさない方向で検討することになる。民主党のマニフェストでは、ア…
青年期という期間をどのように区切るかは、はっきりしない。11歳、12歳から、あるいは14,15歳からとか、いろいろな説がある。また青年期のおわりが、いつと考えればよいかについては、青年期の始まりよりさらにあいまいである。モラトリアム期間というものを…
日本語学習者が減少したという。平成23年の文化庁の発表した統計数字ではかなりの減少幅だ。海外全体での日本語学習者は300万人を超す。ごくおおざっぱな数字だが、一番多いのは韓国で90万人、ついで中国80万人、そしてインドネシアと続く。日本国…
「万物流転」というヘラクレイトスの言葉はたいへん有名である。彼が活躍したのはエペソスというところである。エペソスはヘラクレイトスからずっと後まで繁栄したところである。ここには十字架で磔になったイエスの母(聖母マリア)が、イエスの死後逃れて…
阪急百貨店の第二期工事が終わり新装開店した。初めて1階の売場だけを通り抜けてみた。そこだけの印象になるが、さすが阪急と思わされた。色つかいがたくみである。緋色というか深紅色というか、桃の花の濃い色というか、それが実に効果的だ。それが、光と…
かつて北海道や札幌は、東北を飛び越して東京を参照点としていた。そのように思っていた。札幌大丸(大丸札幌店)に入って違和感を感じた。いつも見ているデパートの様子だったからだ。既視感のゆえの違和感といってもよい。レストランのフロアーには大阪で…
柳田國男の学問は民俗学、ことに「日本」民俗学と言われているが、文化論的にも読み込むことができる。柳田の名著と呼ばれている著作は多々あるが、『明治大正史 世相篇』も代表作のうちのひとつであろう。なんど読んでも新しい発見がある。まあそれは読む側…
ちょっとマニアックかもしれないが、奈良の南部に行くことがあれば、風の森に足を運んでみてはどうだろうか。和歌山とのほぼ県境に近く、峠になっている。名前のとおり和歌山県のほうから谷間をつたって風が吹いてくる。峠道にあたるが、田圃が開けていて、…
沖縄県といえば長生きする人が多いというので有名だったが、厚労省平成17年の統計では、女性は一位であるものの、男性が25位に低下した。なにが原因でそうなったのか? 一説には肥満ではないかというのだが、たしかに肥満度は県別比較では高く、それも一因か…
イエローハットのオイル会員カードの切替案内がきていた。手続きをするとポイントが1500ポイントほどたまっていたので、それに少し現金を払って「超硬合金ハンマー」というのを買った。その半額くらいの安いのもあったが、これが一番軽く、Made in Japanであ…
古代ミレトスで活躍した哲学者タレスはフェニキア人の一門の出であるという説がある。他方、生粋のミレトス人であるという説もある(ディオゲネス・ラエルティオス『ギリシア哲学者列伝』)。ミレトスはギリシアの植民都市であり、港湾都市でもあったから、…
新編『大言海』が古本屋の棚にあった。安かったので買ったが、持ち帰るのは重くてたいへんだった。『大言海』は明治時代の文章を読むときには重宝する。国語辞典で有名なのは『広辞苑』であるが、これは比較的新しい言葉が載せてあって、百年ほど前の日本語…
谷川書店に本当に久しぶりに立ち寄った。4畳半か6畳くらいのスペースの国立の古本屋さん。店主はお客さんと話でもりあがっている。棚に目をやると探していた本が目にとびこんできた。値段は半額、ついでに岩波新書も一緒にして話に割り込むようなかたちで…
「お医者さんはえらい」と書くと「えらい=たいへんだ、つかれた」という意味が関西弁にある。ここは「お医者さんは偉い」。昔からお医者さんは偉かったし、今も偉い。しかも金持ちである(橘木俊詔の研究参照)。職業的威信が高い。医学部の受験も難関であ…
低視聴率が話題となった大河ドラマ「平清盛」の時代を描いた文学といえば『平家物語』である。平家物語は琵琶法師によって語られた。語り物という文学形式をとるものには、講談や浪曲がある。古代世界の叙事詩は語られて伝えられたものである。アイヌ民族の…
「生活文化」という言葉は今日でも使われているが、その使われ方をたどってゆくと、幾つかの歴史的な段階というものが見えてくる。1970年代からは地方自治体で「生活文化」という言葉が行政とからめて使用された。坂井知事時代の兵庫県はその先駆で、そのの…
たまたま三宮に用事があり、お昼どきになった。勤め人の味方、三宮センター街地下の食堂街に行ってみたが、時間が時間だけにどこもいっぱいで行列をしている。そのなかでもひときわ長く並んでいたのが、「天ぷら定食まきの」という店だった。年配のおばちゃ…
ひところの韓流ブームは中高年の女性が前面にでていた。これはいまも続いていると思われるが、いまは若いひとたち、これも特に女性のあいだで韓流ブームというのが広がっているようだ。K-popの影響で歌、ダンスを通じて熱狂的ともいえるほどの韓国芸能人・グ…
iPad miniが発表され世の中の注目はそこに集まっている。が、Mac Book Pro 13インチ、Mac miniも発表された。Mac miniは買い換えたばかりなので、えーっ、しまった、またしても、と思った。Appleは突然発表するので、購入する側としては困ることもある。魅力…
現代のギリシアは国家財政問題で知られており、EUのなかでもとくに問題視される国である。一般的にいって、EUのなかで問題とされる国はラテン系というか、地中海に面した国に多い。少し前にはアテネ・オリンピックもあり、ギリシアといえば世界地図上のだい…
永幡嘉之著『巨大津波は生態系をどう変えたか』(講談社ブルーバックス)には、東日本大震災で津波が襲った沿岸部の写真がでている。同書22頁の写真をみるとかつての湿地の範囲に津波が侵入した様子がわかる。「かつての湿地」は今は水田になっている。白砂…
フランス語で福祉国家のことをl'État-providenceという。ところでprovidenceは(神の)「摂理」という意味であり、「福祉」そのものを示すわけではない(なかった)。Émile Ollivierがこの言葉を使いだしたらしい。英語ではwelfare state(福祉国家)、ドイツ…
神戸の街の最良ガイド本というのは、島田誠・森栗茂一『神戸 震災をこえてきた街ガイド』岩波ジュニア新書である。岩波ジュニア新書だから、観光ガイドブックのコーナーには置いてないことが多い。というより置いてないだろう。観光ガイド本コーナーには、「…