元のもの(根源)は何だろう?

 すべてのものの元のもの(根源)はいったい何だろう? と問題をたてたときから哲学ははじまったとされる。なかにはこんな疑問を小さいときからもった人もいるかもしれないが、すべてのもの、元のものという考え自体がすでに観念化されているから、そうとう高度な思考といえるであろう。最近では、人類の歴史は数百万年にもさかのぼるようだが、上の疑問はたかだか2500年ほどまえから生じたわけなので、人類史のなかでは新しく、かつ高度な思考と言ってよいだろう。一見こどもの質問であるが、こどもだからと言ってこんな考えはしないようだ。答えはすぐには出ない。答えがないものは積極的に教えられることはない。小・中・高の12年間でこんな質問を先生からされたことは一度もないという人もひょっとしたらいるのではないか。もしも答えのない問いかけをされた経験があったら、心のなかに種をまかれたということだ。芽になるかどうかはわからないけれど。(121016)