札幌の関西文化

 かつて北海道や札幌は、東北を飛び越して東京を参照点としていた。そのように思っていた。札幌大丸(大丸札幌店)に入って違和感を感じた。いつも見ているデパートの様子だったからだ。既視感のゆえの違和感といってもよい。レストランのフロアーには大阪ではおなじみの店が入っている。札幌の人にとっては新しいのかもしれないが、実際はどうなのだろう。札幌大丸が人を集めた結果、五番館(のち西武)はなくなってしまった。地元民にとっては老舗がつぶれてびっくりした、とタクシー運転手は言っていた。地元の老舗の丸井今井はどうかと気になって見たが、大丈夫かなという気がする。大丸が札幌に出店した結果、幾ばくかの関西系の文化が紹介されたことになる。イノダ・コーヒーが大丸に入っていて、店員がミルクを入れてもいいかと尋ねてくるところも京都イノダと同じだが、もちろん室町のダンナは札幌にはいない。新しいコーヒー店として受け入れられているのだろうか。これは東京文化ではないんだけど、などとしょうもないことを考えてしまった。昔の北海道の新聞記事に歴然としているが、北海道の札幌からは東京までしか視野に入っていなかった。それだから余計に、東京以西の文化が現在の北海道民にどう受けとめられているのか気になるところである。121105)