「青年期」という期間

 青年期という期間をどのように区切るかは、はっきりしない。11歳、12歳から、あるいは14,15歳からとか、いろいろな説がある。また青年期のおわりが、いつと考えればよいかについては、青年期の始まりよりさらにあいまいである。モラトリアム期間というものを勘定にいれると青年期がずっとのびることになる。青年期のはじめのころは生理学的・性徴の変化から身体的に指摘することもできるが、身体的特徴と心理的特徴とはただちに平行関係にあるとはいえない。まして10歳代初期と20歳代になってからは、あきらかに青年期といってもその様相を異にしている。「前青年期」「学齢期」「少年・少女期」などと呼び、青年期のなかでも段階区分をする発達心理学者が多いのは実態にあわせて考えなければならないとした結果であろう。発達心理学は現在では心理機能の老衰をも含めて考察するようになっているらしい。思想の分野では「若き~」という思想家についての本がたくさんでているが、40歳代でも「若き~」という言い方がされることがあるので、発達心理学からすると大器晩成型の思想家などは特異現象となるのだろうか。(121108)