人間は塵

 「神ヤハウェは大地の塵をもって人を形造り、その鼻にいのちの息を吹き入れた。そこで人は生きるものとなった」(『創世記』2−7、旧約聖書Ⅰ、岩波書店)。「あなたは大地から取られたのである。あなたは塵だから塵にる」(同書、3−19)。大地は土、塵も土、水を含めば粘土になる細粒土。また塵は死ということをあらわしている。人間は土からうまれ、土に戻る。神によって息を吹き入れられて人間となる。最初の人間はアダム。大地はアダマー(ヘブライ語)。人間が死ねば大地に戻る。この考えをさらにつきつめてゆくと、身体(土)とは別のところに精神の原理をたてることとなる。(121109)