idea

 ideaと書けば、英語読みでアイデアと読める。アイデアと読めれば、「アイデア」「思いつき」「着想」という意味ばかりでなく、「観念」「概念」「思想」、さらには「見当」「知識」、「予感」「想像」などの意味が思い浮かぶ。ラテン語的な読み方だとイデアとなる。もちろん、この読み方はギリシア語のイデアからきている。イデアと言えばもちろんプラトンイデア論がまっさきに思い浮かぶ。ただし、古代ギリシア思想について知っている人の場合であるが。この「イデア」が「観念」という意味で考えられるときプラトンイデア論に結びつけられて、「三角形のイデア」などに言及される。もともと「イデア」という言葉は、見られた形姿(ものの姿、形)にむすびついていた具体的なものに即して語られていたもののようである。それは知覚像にかかわる。知覚像は一種の具体的なものである。ところが知覚が成立するには、感覚がなければならず、なおかつ感覚をそれとしてまとめ、それとして判断できるものがなくてはならない。プラトンの「善のイデア」は究極的なイデアであるが、単純な知覚、たとえば見られたものにおいてもすでに、なにがしかの普遍的なものが介在しているとも考えられる。