ATOKといえば定評のある日本語入力システムであり、私も「ことえり」をしばらく使った時期以外は、ずっと使ってきた。ところが最近余計な変換が出てくるようになって、そしてまた登録した単語がすぐには出なくなった。変だなと思っていたが、いろいろ設定を覗いてみて、自動登録単語というのがあることに気づいた。約1万語近い単語が登録されていた。これが原因かもしれないと思って、あれこれと試みて、自動登録単語をすべて削除した。スッと削除とはいかず、かなり削除の時間がかかったから、やはり相当たまっていたのではないか。その後は以前の変換の調子を取り戻しているような気がする。このことを通じて、余計な記憶が邪魔をするのは人間と同じかもしれないと思った。過去の記憶がいつまでも残り、その記憶に引っぱられると新しいことに立ち向かうのに困難が生じる。なかには忘れたほうがよいものもあるということだ。
