香酔峠からの眺め

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香酔峠からの眺め

 宇陀水分神社の三社へは、都祁から宇陀のほうに峠を越えた。峠の名前は香酔峠というけっこうな名前がついている。近くに香酔山というのがあって、その名はスズランの群落があるからだそうだ。さらに峠の手前に吐山すずらん群落(自生地)というのもあるので、すずらんの香りから付けられたけっこうな名前らしい。

 都祁のほうからはそれほどの峠とも見えないが、香酔峠を越えてすぐに南側の展望がひらけ、谷へと落ち込んでいるのがわかる。香酔峠の標高は550メートル。近鉄榛原駅あたりから、烏帽子のような山が並んでいるのが見えるが、貝ヶ平山、額井岳などで、822メートルの標高がある。都祁が大和高原といわれるだけあって、この高原の高さがここ香酔峠にきて実感できる。峠からは急な坂道を下っていって、榛原の街に行き着く。

 遠くに高い山が連なっているのが見える。東吉野郡から三重県にかけての山だろうか。そうだとすると1400メートル級の山となる。榛原の街はここからは見えない。近鉄線が走っているところはここからは谷底となる。ここからぐっと下がって宇陀郡に入る。宇陀には伊勢街道が通っている。奈良盆地からきて、宇陀の伊勢街道をとおり、向こうに見える山並みのどこかを抜けて伊勢の方向へと歩くのかと思うと自動車のなかった時代、お伊勢参りもけっこう大変だったろうなと思う。