「電話三拾番」(聴竹居、大山崎町)

聴竹居の勝手口に「電話 三拾番」の木札がかかっている。家の主の藤井厚二は電気製品は率先して最先端のものを住宅に導入した。電話もそのひとつ。日本でないものはドイツなどから取り寄せた。今のお金に換算すると驚くべき電気代がかかっていたという。電気の余力がない時代で、一度にそれらの電気製品が使えず、大きな配電盤で使う製品のところへ電気を通すようになっていた。電気を使いすぎると注意も受けたそうだ。それでも最先端の電気製品を使ったのは「実験住宅」だったから。京大教授であった藤井の家産の豊かさがなせるワザでもあった。
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