小野道風神社

 小野道風神社。小野道風小野篁の孫。藤原佐理藤原行成と並んで三蹟の一人。和の書の基礎を築いた人として有名です。

 神社社殿への石段の下に柳と蛙の置物があります。柳の向こう側には琵琶湖が見えます。

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小野道風神社の柳と蛙

 小野道風と言えば、柳に飛びつく蛙のお話が有名で、柳の枝に飛び移ろうとして失敗していた蛙を道風は見ていました。柳には飛びつけないだろうと道風が思っていたところ、風が吹いて柳の枝がなびいたとき飛び移ったというものです。これを見て努力しなければと発憤したという話です。

 なぜこんな話を知っているかというと、花札の絵柄に「柳と蛙と小野道風」という一枚があって、花札遊びのとき大人から努力が大切だと教えられたからです。花札の教育的効果で、こんな話を覚えていますが、いまでは肝心の花札の遊び方はすっかり忘れてしまいました。

 もっとも、花札の「柳と蛙と小野道風」という絵柄は明治時代になってからできたそうですが。

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小野道風神社社殿

 社殿は切妻平入で近江にはこの形式は三つしかない珍しいものだそうです。重要文化財。社殿がたてられたのは南北朝時代(1341)で道風が生きていた時代から400年ほどたった後のことです。
 ここを訪れて知ったことは、道風はお菓子の「体型」を創造して、「匠守」の称号を賜ったということです。そして「匠」「司」の称号を授与することを勅許されていたということです。「匠」「司」の言葉はいまも使っていますが、小野道風と関係があったのだとははじめて知りました。

 道風がここに祀られているのは、「小野」の故地だからでしょう。道風の生まれは愛知県の春日井だと言われていて、春日井市には書道の美術館があるそうです。

 また京都北区の杉阪道風町には「道風神社」(どうふう/とうふうじんじゃ)があります。

 小野道風神社は高台にあって、つぎの目的地、小野妹子神社も高台にありますから、いったん降って、また上ります。