大峯奥駈道72靡としての吉野水分神社

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大峯奥駈道、道標

 吉野水分神社の鳥居の脇にこのような道標がある。「第七十二靡 吉野水分神社」とある。「靡」(なびき)は修験道の行者が奥駈道をたどり修行するときの巡礼地のポイントとなるところ。南の熊野のほうから、北の吉野まで全部で七十五箇所ある。その七十二番目が吉野水分神社ということ。この道標のすぐそばに役行者の像が安置してある。

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役行者像(吉野水分神社

 なるほどこのルートを歩く登山者も多いわけだと納得した。吉野奥駈道は全行程が80キロにも及ぶという。

 なぜか昭文社の「山と高原地図56 大峰山脈」という地図を持っていた。大峰山は行ったことがないけれど、大台ヶ原から大杉谷へのルートをたどったときに大峰山系の地図も必要と、買っていたものらしい(自分が買ったことだがなぜか忘れている)。この地図をみていると、これは大変な道だ、かなりの覚悟でないと行けないな、という気がする。とにかく山また山の山ばかり。六甲山系も明石のほうから宝塚まで50キロ以上あり、これを一日で走破する催しもあるが、これ以上は駄目だというときには海側、あるいは北の方へ降りればよい。なにがしかの町や電車、バスが山系の麓にはあり、それに頼ることができる。大峰山系の場合はそのようなことは難しいので、やはり「修行」になってしまうのだろう。地図を見ながら、行きたくもあり、行きたくもなし、といったところか。

 水分神社のところから南への道をたどると奥千本、金峯神社西行庵へと至る。近くに青根ヶ峰という山があって、もとは吉野水分神社がここにあったとどこかで聞いた(まだ行っていませんので、未確認)。地図で見ると、たしかにここは三方に水が分かれている山の峰になっている。道は整備されていて歩きやすいだろうが、電車で吉野に朝早く着いてから、一日がかりの歩きとなるだろうな、と予測した。