新亀の瀬橋から上にあがってゆくと「亀の瀬地滑り資料室」がある。その案内板にあるように「予約制」で見学できる。国土交通省の亀の瀬地すべり資料室のネットにアクセスすると地すべりのメカニズムも含めてくわしく解説が載っている。また予約をすれば資料室で説明してくれるようだ。
鉄道トンネル遺構なども見学できるようなので、公開見学日が設けられているときなど見学をすると勉強になるはず。
この資料室の道路を挟んで山側に見えるのがこれ。
トンネルの入口周りに亀のレリーフがある。亀の瀬排水隧道といって排水施設のようだが、水を汲むなという注意書きがある。水量を測っているので計測数値に誤りがでないようにという注意。
排水隧道のなかは、このような浅い溝になっており、水が流れている。
さきほどの亀の瀬の排水隧道の裏手、大和川右岸の山手はこんな景色になっている。一見すると公園整備中のようにも見えるが、山頂まで樹木のない地帯が続いている。ここの土砂が滑ったのだろう。あるいは今もすべりやすいので地滑り防止の対策をとっているのだろう。大和川の対岸のほうも地滑りをしやすい土質だという。しかも日本で有数の地滑り地帯とのこと。だから亀の瀬滑れば土砂が大和川にたまり、ダム湖状態となる。昭和初期にこの状態となり、奈良盆地からの水の出口である王寺も水に浸かったという。
対策として「深礎工」という、大きいものでは直径6.5メートル、長さ100メートルのコンクリート杭が打ち込まれている工事をする。一本で1000トンの地滑り防止力が働く。これが何本も列をなして打ち込まれているとのこと。こういう対策がとられず、地滑りがおこり、大和川が塞がれると一大湖水がふたたび出現することもありうるということなのか、となっとくした。