「小野郷」(京都市北区)

 京都市北区に小野という地名がある。周山街道を通るときは、いままでただ通り過ぎていた場所である。「小野」という地名をたどってから、京都市の北区にも小野という地名があるのに気づいた。杉阪の道風神社まで来たからには、どういう地形のところか少しでも見ておこうと車を走らせた。杉阪口から2キロ程度で小野という地域にはいる。ただ車を止める余地がみつからないので、そのまま走ると、どうも「下」「中」「上」と小野は分かれているらしい。途中で「小野郷」というバスの停留所の看板もあった。そこも通り過ぎて、「上」の集落がようやく終わるところに少しの余地があったので、そこでストップ。そこから集落を振り返る。

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小野の「上」(京都市北区

 周山街道は京都から若狭へ抜けるメインのルートだから、自動車専用道ではないにしても道はそれなりに整備されている。小野の「中」のあたりは人家も多い。写真でわかるようにここでも両側から山が迫っている。清滝川が谷間をつくっていて、山、水、少しの平地に人が棲んでいるという地形になっている。なるほど、ここも「小野」だという地形の概念にあった場所だという感想を抱いた。

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小野の「上」地区

 小野の「上」のはずれのところにある倉が二つある立派な家。倉の壁が黒く塗ってある。こういう倉の壁をを「黒壁」というのだろうか。背後の山が迫っているのがよくわかる。今回は通り過ぎただけなので詳しいことはわからない。だが長い年月をここで住みなしてきたのだろうなと思わせる土地の雰囲気がした。