松谷御堂光徳寺は立派なお寺である。門を入るとお堂にむけて石畳がまっすぐ延びて右手に鐘楼がある。境内は掃除が行き届いている。
お堂の奥にある建物。経蔵か宝物庫か、何のための建物かわからない。屋根の上に飾りのような屋根つきの構築物がのっかった建物はときどき奈良で見かけた。1階部分は現代的な窓、戸の形式でつくられている。
本堂と呼ばれているのかどうかわからないが、本堂としておく。この建物も立派なたたずまいである。下のほうから登ってきて、登りがけっこうきついだけに、ここの寺に着くと、おのずとここまで来れたものだという気になる。
寺を出て雁多尾畑の山の道をあるいていると、ところどころの掲示板に張り紙がある。
いずれも亡くなった方の供養、何回忌めかの法要に際しての供養としての寄付の報告を掲示してある。このような掲示板があちこちにあって、いやでも目につく。こういう形での掲示板はここではじめて見た。地域共同体の結束が強いのか、宗教的共同体の強さなのか、ともかくたいへん印象に残るものであった。
などと考えながら歩いていたら猫がいた。見慣れぬよそ者を警戒している。