三郷駅の方向の道の反対側、JRの線路に沿ったところにしめ縄を張った木と石碑がある。なんだろうと立ち寄ってみた。「磐瀬の社」というところ。「社」(もり)というにはちょっと貧弱だが、この場所というからにはもうすこし繁っていたのかもしれない。鉄道と道路が通っていて、そのためにこの場所に追いやられた感じがする。磐瀬の杜というのは、他にも候補地があって、ここであるとは断定はできないようだ。
「磐瀬の社」は、この案内板にある鏡王女の歌から採られている。万葉集では「社」という漢字で出ている。神奈備という呼び名も多く存在するので、決めづらいこともあるようだ。その神奈備という名称の神社が三郷駅から竜田大社の方向の坂道を上りかけてすぐのところにある。
小さな社が建っている。周囲には小さいながらこんもりとした樹木がある。丘陵地の端に神奈備と呼ばれる場所はいくつもあるとここの案内板にあり、また先ほどの磐瀬の杜にあった歌も神奈備神社の案内板にも載せられている。
ここでは「磐瀬」が「伊波瀬」という漢字が使われているが、これは万葉集の表記通り。ここの神奈備神社を見ると、「かむなび」というのはどういうものかということがよくわかる。
ここから坂道をしばらくあるけば竜田大社に着く。「風の宮」とあり風の神様。