岩合光昭『イタリアの猫』

岩合光昭『イタリアの猫』(写真集)、新潮文庫平成28年1月。元、2013年7月、新潮社刊。

写真雑誌などで見ると、岩合はよくオリンパスのカメラを構えている。フォー・サーズのサイズだからか、フルサイズカメラと比較して背景が写っている写真が多いようだ(これは私の偏見でしょうが)。もちろんレンズの扱いかたにもよるだろう。なかにはきれいに背景がボケている写真もある。多くの写真は被写界深度が深いせいで、建物や自然風景が写し込まれているのが、見る側としてはありがたい。イタリアの風景を見ることができる。
表紙の猫はシチリアのコルレオーネの「ドメニコ」という名前の猫。貫禄がある。シチリアはアグリジェントという古代ギリシア遺跡があるところの猫も。南イタリアギリシアの植民都市が多い。ここアグリジェントには立派な石の列柱がある。
プーリア州のアルベルベッロ。石葺きの三角屋根が並んでいる。見事なものだ。世界文化遺産の町。スパゲティを食べている猫が写されている。日本の香川県ではうどんをするる猫がいた、と岩合は書いているが、うどん猫はまだ見たことがない。こんど食べさせてみようか。

Photo